OpenMausBot はチャット画面から AI エージェントのチームをまとめて動かす

要約

OpenMausBot は Apache-2.0 のデスクトップアプリで、複数のローカルの AI エージェントをチャット風の画面でまとめて動かす。各エージェントに専用のモデルとクラウドのパソコンを与え、コマンドやファイルの変更は確認のカードで止める。

おすすめ
ソフト名
OpenMausBot
バージョン
0.1.139
料金
無料
オープンソース
オープンソース
OS
WindowsmacOSLinux
更新日時
2026-11-03 23:00

AI エージェントを同時にいくつも動かす人なら、同じ面倒に必ず当たる。エージェントがそれぞれ自分の端末の窓に散らばっていて、どれが何を走らせ、どこまで進み、人が引き継ぐ必要があるかは、全部自分で見張ることになる。OpenMausBot は別の画面で答える。エージェントをひとつずつ連絡先の人物として扱い、左に顔が並び、押せば会話が開く。

これが何か

OpenMausBot は Electron で作られたデスクトップアプリで、画面は React、Apache-2.0 ライセンス、コードは GitHub に公開され、いま一万一千を超える星が付いている。やり方は、エージェントごとに独立した設定を与えるというものだ。自分の名前と顔、自分のモデル、自分のクラウドのパソコン、自分がつなぐアプリ。それらをまとめて、チャットのような画面に収める。

利点は、覚えることがほとんどないことだ。メッセンジャーを使ったことがある人なら作法はもう知っている。未読、固定、右クリックのメニュー、フォルダ分け。違うのは、向こう側にいるのが人ではなく、ファイルを読み、ブラウザを開き、コマンドを実行できるエージェントだという点だけだ。

主画面はチャットの作法で並び、顔の後ろにエージェントが一人いる
主画面はチャットの作法で並び、顔の後ろにエージェントが一人いる

エージェントごとに自分のパソコンを持つ

普通のチャットのクライアントとの最大の違いはここだ。あるエージェントのパソコンの画面を開くと、クラウドのデスクトップが立ち上がり、作業中は映像がそのまま流れる。人が引き継ぐ必要が出たら、一度押せばブラウザの中で操作を引き受けられるし、自分が今使っている機械に向けることもできる。

エージェント一人に一台という意味は分離にある。クローラーを作る方は依存をいくら入れても環境をいくら変えても、データ分析を走らせている別の環境を汚さない。危ない操作を試すときも、損害はその一時的な機械の中に収まる。同時にいくつもの仕事を回す人にとって、この分離は端末の窓を増やすよりずっと片付いている。

パソコンの画面で、エージェントが操作しているデスクトップが見える
パソコンの画面で、エージェントが操作しているデスクトップが見える

動く前に一言聞く

AI にパソコンを直接触らせるとき、いちばん落ち着かないのは、黙って何かをされることだ。OpenMausBot はそこを権限の中間層にした。シェルのコマンドを実行する、ファイルを変える、こちらに質問する、いずれも会話の中にカードとして現れ、許可するか、断るか、そのままチャットで答えるかを選べる。クラウドのパソコンも手元の機械も同じ承認の流れを通る。

断っておくと、これは後から見る記録ではなく、実行前の堰き止めだ。許可がなければ動作は起きない。大事な資料を同じ機械に置いている人にとって、この作りは事後にたどれるという約束よりずっと現実的だ。

コマンドもファイルの変更も、カードのまま判断を待つ
コマンドもファイルの変更も、カードのまま判断を待つ

きっかけ:呼ばれて動くから、自分で始めるへ

きっかけの画面があり、「あることが起きたら、あるエージェントがあることをする」を扱う。予定した作業は一度だけ、選んだ曜日に、あるいは五分から千四百四十分までの間隔で繰り返せる。間隔のものは決めた開始時刻に合わせ、前回がまだ終わっていなければ今回は飛ばすので、仕事が列に積み上がらない。予定のほかに、外からの要求や、つないだアプリの出来事でも起動できる。たとえばある人からの郵便が届いたら返事の下書きを作る、といった具合だ。

価値は、エージェントが突かれて動くものから、当番をするものに変わることにある。朝のまとめ、定時の点検、届いたら処理する帳票。それらをきっかけに載せれば、人は判断が要るところにだけ現れればいい。

アプリの接続とチームの使い回し

つなぐアプリの市場が用意されている。一度許せば、どのエージェントもそれらのサービスを道具として呼べる。郵便、予定表、コードの預け先、文書の共同作業、案件の管理といったよくある分類を覆う。鍵は手元に保存され、画面には設定済みとしか出ず、返しもしなければ外にも出さない。何人かで一台を使うシーンでは効いてくる。

チームの設計も面白い。エージェントのチームは Markdown のファイルひとつにまとめられ、読み込むと確認の画面が一度走り、メンバー、チャンネル、流れ、接続の一覧を示してから作られる。部門ごとひとつのファイルに書き出して渡すこともできるが、会話の記録、鍵、モデルの選択は付いてこない。受け取った側が手にするのは新しいエージェントで、技能は切られ、定例の仕事は止まっている。構造だけを渡し、データは渡さないというこの取捨は、設定だけを書き出すより落ち着いている。

境界と向き不向き

プロジェクトは自分の状態を正直に書いている。早いが使える、というものだ。メッセージを送ってからエージェントが実行し、応答が流れ、道具を呼び、承認し、パソコンを使うまでの道は通っている。macOS と Windows には正式な配布があり、Ubuntu 24.04 の版はまだ試している段階でできることに取捨がある。預ける形と携帯からの接続はまだ作り途中で、外からの要求による起動はいまは手元の受け口に頼っている。通話は macOS でしか使えない。いまの版は 0.1.139 で、Electron の上で動くため、大きさとメモリの使い方は ネイティブのアプリのように軽くはない。

誰に向くか。すでにいくつものエージェントを走らせていて、管理が散らかっていると感じている人なら、この画面の値打ちはすぐ分かる。仕事ごとに違うモデル、違うパソコン、違う権限を割り当てたい人も、手で切り替える時間をかなり減らせる。たまに AI に一つ質問するだけの人には、重さも言葉も過剰だ。これは同時にいくつもの仕事を抱える人のための作業台である。

OpenMausBotダウンロード
対応OS: Windows macOS Linux