会話を雲に渡したくない人へ:Octop は相棒を自分の機械に戻す
要約
Tencent Cloud が公開した自前運用の相棒 プラットフォーム。会話、作業場所、鍵はすべて手元に残り、九つの連絡 サービス が同じ専門家の組へ流れ込む。
おすすめ- ソフト名
- Octop
- バージョン
- 1.0.2b6
- 料金
- 無料
- オープンソース
- オープンソース
- OS
- WindowsmacOSLinuxWeb
- 公式サイト
- https://octop.cloud
- 更新日時
- 2026-10-09 20:23
自分の機械一台で、相棒の サービス を一式動かす。会話、作業場所、鍵はすべて手元に残る。Tencent Cloud が Octop を公開した。MIT の許諾で、いまの版は 1.0.2b6。
多くの相棒は「こちらから会いに行く」形だ。ページを開き、勘定に入り、話す内容を他人の サーバー へ打ち込む。Octop は逆を行く。自分の機械に入れ、それから毎日すでに使っている チャット の窓へ繋ぐ。企画は Tencent Cloud から出て、前身は社内の LightClaw ACE。2026 年 7 月に公開され、10 月初めの時点で印は八千を超えた。
一つの プロセス が全部を抱える
運用の形は常識に反するほど控えめだ。ウェブの制御盤、命令行、連絡 サービス の接続、定時の作業、そのすべてが一つの プロセス の中で走る。待ち行列も中間の仕組みも要らない。入口はすべて プロセス 内の部品を通って振り分けられ、実行の状態は起動のたびに制御の保管から組み直される。だから再起動は安全だ。
データはすべて手元の ~/.octop/ の下に落ちる。設定、制御の保管、鍵、専門家ごとの作業場所、記録。一つの フォルダ で済む。制御は既定で SQLite の WAL の型を使い、人が増えたら PostgreSQL に替えられる。全体は Python 3.12 で書かれ、後ろは FastAPI と uvicorn、定時の制御は APScheduler が担う。

人ごとに専門家の一式を
中心の単位は会話ではなく専門家だ。週報のための専門家を一人、不具合を調べるための専門家を一人作れる。それぞれが自分のモデルの提供元、作業場所、技能の組、人格の設定を持つ。書く側は自分の言い回しを覚え、探す側は自分の書類だけに触れる。互いに混ざらない。
複数の利用者への対応は、後付けではなく本気で作られている。管理者の勘定を一つ作れば、家族や同僚にそれぞれの勘定を渡せ、各自が専門家の組と作業場所を持つ。ログインは JWT で、管理者と一般の役割は分かれている。専門家の保管と共有の仕組みもあり、作った設定を公開すれば他の人がそのまま使える。人格については 16 種の型と対話式の測定が入っている。

すでに使っている チャット の ソフトウェア へ
Octop は Feishu、DingTalk、WeCom、QQ、WeChat、Telegram、Discord など九つの連絡 サービス に素で繋がる。同じ専門家の組を複数の経路に同時に掛けられる。ある場所で聞いた問いと、家族が別の場所で聞いた問いが、同じ知識の土台へ流れ込む。
外へ繋ぐ部分は 接続役 と MCP の関門が担う。書類の サービス、会議の サービス、記録の道具、郵便は、一度許せばそのあと呼び出せる。

本当に計算機を操作する
話せるだけでは道具にならない。端末の側には閲覧ソフトの中で走る対話式の殻があり、命令を勧め、出力を説明し、誤りの切り分けを助ける。閲覧の側には Chromium を使った画面なしの会話があり、自然な言葉でページを開き、表を埋め、画面を控えとして残す。さらに外側に遠隔の机があり、制御盤で画面をリアルタイムに見て鍵盤と鼠を引き取る。Linux、Windows、macOS を覆い、画面の無い Linux の サーバー でも隔離した机を一発で作れる。
ここまで能力があるなら、柵も要る。殻の命令には許す規則と断る規則の表があり、道具の呼び出しには承認が要り、外へ出す内容は機微な情報を伏せる。作業場所の置き場も差し替えられ、手元の記憶装置、コンテナ のサンドボックス、PostgreSQL、S3 に合う保管のいずれも選べる。

ACP の双方向:呼ばれる側にも、任せる側にも
Octop は ACP を両方向で支える。入る向きでは、自分を標準の ACP サービス として差し出し、Zed や OpenCode のような編集ソフトがそのまま符号の後ろ盾として使える。出る向きでは逆に、符号の仕事を OpenCode、CodeBuddy、Claude Code、Codex といった外部の コーディング エージェントへ任せられる。間に権限の確認が入る。役割としては、常駐する制御盤に近い。文脈を覚え、具体的な仕事をより専門の道具へ渡す。
記憶ももう一本の柱だ。専門家ごとに層を分けた呼び戻しと全文の検索があり、会話で積み上がった好みと仕事の記録は作業場所と一緒に移る。モデルを替えても機械を替えても零からやり直さずに済む。知識の保管は標準的な取り出しで、答えには押せる引用元が付く。定時の作業は自然な言葉で書ける。

始める前に、三つだけ
第一に、2026 年 10 月の時点で最新の配布は 1.0.2b6 で、番号の b はまだ Beta の線にいることを示す。複数の専門家が協働する機能も同じ印だ。
第二に、単一の プロセス は諸刃だ。運用は確かに楽だが、同時に一つの故障の範囲と、横に広げる天井を意味する。連絡の関門を別の機械に、実行環境をさらに別の機械に、という置き方はできない。家庭や五人ほどの班はこの天井に触れないが、数十人が同時に使うと合わない。
第三に、自前の運用はすべてが手元という意味ではない。専門家に雲のモデルを繋げば、送った指示はやはりこの機械を出ていく。本当に閉じた輪にするなら手元のモデルの サービス が要る。また、共有の機械ではどのエージェントも端末と閲覧ソフトを携えるので、権限の規則は緩めるより締めるほうがよい。
Octop の値打ちは機能の一覧の長さではなく、データを自分の機械に置くという在り方を、命令一つで立ち上がる形にしたことにある。MIT の許諾は、この自由が一度の商売の判断で取り上げられないことを意味する。代わりにモデルと計算と安全を自分で背負うことになる。