Tencent の Marvis はアシスタントを OS の中に置き、UnionTech UOS にも登場した

要約

Marvis は Tencent の OS 階層のアシスタントだ。ひとことで設定を変え、中身でファイルを整理し、ソフトの導入やブラウザの作業まで引き受ける。ローカルモードならファイルは一切送らない。十一月三日には UnionTech UOS のストアにも並び、一日一千万トークンが無料で付く。

おすすめ
ソフト名
Marvis
バージョン
1.3.4
料金
無料
オープンソース
非オープンソース
OS
WindowsmacOSAndroidiOSHarmonyOS
公式サイト
https://marvis.qq.com/
更新日時
2026-11-03 23:00

システムに入り込む AI は、どんな姿であるべきか。Tencent の答えはチャットの窓をもう一つ増やすことではなく、AI をそのまま OS の中に住まわせることだった。ひとこと伝えれば、設定を変え、ファイルを探し、予定した作業を回す。削除やアンインストールのように元に戻せない操作になると、向こうから一言確認してくる。

答えることから、仕事を引き受けることへ

Marvis は Tencent が提供する OS の階層に入り込むアシスタントで、立ち位置ははっきりしている。パソコン全体を、話しかけられるエージェントにするというものだ。一般的な AI ツールとの違いはモデルの大きさではなく、権限の境界にある。従来の製品は対話の枠の中で答えを返すだけだが、Marvis はシステム設定、ローカルのファイル、ブラウザ、インストール済みのアプリ、そして機器をまたぐ接続という層を預かる。仕事は分解し、実行し、結果を返す。

九月二十四日の新版で、呼び名は AI アシスタントから AI 執事に変わり、サイドバーに執事チームの入口が増え、機能はパソコン、ファイル、ソフト、ブラウザの四本にまとめられた。この命名が対象を語っている。コードを書く人ではなく、システム設定、散らかったファイル、うまく入らないソフトで足を止めている普通の利用者だ。

四人の執事、それぞれの持ち場

パソコン担当は、システムの掃除、設定の変更、ハードの点検、性能の調整、そしてシステム全体の切り分けを扱う。背後には企業の IT チームが積み上げた修理の知識と百を超えるショートカットがあり、作業の完了率は九二パーセントほどだと公表されている。普段の使い方は、望む結果を言葉で示し、実行計画を受け取り、その計画どおりに順に進めてもらう形だ。

ファイル担当は今回いちばん大きく変わった部分だ。ファイル名だけで探すのをやめ、ローカルのファイルを読んで中身を把握し、印を付けてまとめ、仮想の知識ベースのフォルダに変えていく。これらの棚は新しいファイルを自分で見つけ、自分で更新し、ほかの人を招いて一緒に育てることもできる。すでに文書サービスともつながっていて、クラウドの資料も同じように入ってくる。何年も請求書や契約書や論文をためてきた人にとって、中身でまとめるほうがフォルダの木を整えるよりはるかに楽だ。

ファイルを読み、形式を変えるのはファイル担当の日常の仕事
ファイルを読み、形式を変えるのはファイル担当の日常の仕事

ソフト担当は、アプリの導入、更新、削除、そして使いこなしを扱う。Windows でソフトを消すには、削除用のプログラムを探し、残りを片づけ、レジストリをたどるという何段もの関門がある。そこを代わりにやってくれ、期間限定の無料配布にも目を配り、期限が来れば知らせ、そのまま受け取るところまでやる。ブラウザ担当は拡張機能で手元のブラウザを引き受け、すでにあるログイン状態をそのまま使って検索、ダウンロード、入力を行い、ウェブ上の作業とローカルのファイルやアプリをつなぐ。

ローカルモードなら、ファイルはこの機械から出ない

Marvis には二つの働き方がある。効率モードは端末とクラウドの協調で、難しい問題の理解と計画はクラウドに任せ、ファイルの処理と操作の実行はできるだけ手元に残す。毎日の無料枠が主に使われるのはこの経路だ。ローカルモードは端末側のモデルだけで動き、ファイルは一切送らず、ネットが切れていても作業を続けられる。財務、法務、人事のように、外に出したくない資料に向く。

代償は能力の差だ。端末側のモデルは推論の力がクラウドに及ばず、長い文書の処理や深い分析はローカルモードでは明らかに遅くなり、文書が長すぎる場合は効率モードに戻すよう促される。この取捨はわかりやすい。データを機械の外に出さない能力は、自分の計算資源と引き換えに手に入るものだ。公開されている下限の要件も同じことを言っている。Windows 側は四コア以上の処理装置と八 GB 以上のメモリ、Mac 側は Apple のチップが要る。

六つのエージェントが分業し、削除の前には確認する

Marvis には六つの常駐エージェントが最初から入っている。一つの主エージェントが全体を組み立てて分解し、残る五つがファイル、パソコン、アプリ、ブラウザ、検索をそれぞれ受け持つ。利用者は目標を伝えるだけでよく、仕事を割り振り流れをつなぐのは向こうの役目だ。自分で流れを組み、機能を設定する種類の道具との違いは、まさにここにある。箱を開けたらそのまま使える。

ここまで深い権限を与えるなら、安全の境界が中心になる。Marvis は段階を付けている。ファイルの削除、ソフトの削除、システムの中核設定の変更といった元に戻せない操作は、実行の前に人が確かめる。支払いのようなさらに敏感な行為はそもそも開いておらず、本人が行うしかない。ソフトの削除も、まず読み取りだけの走査と一覧から始まり、確認の後にようやく動く。

予定した監視と要約の通知も、もう一つのよくある使い方
予定した監視と要約の通知も、もう一つのよくある使い方

スマートフォンがデスクトップを引き受ける、施錠中でもつながる

機器をまたぐ点も、繰り返し語られる能力だ。同じアカウントでスマートフォンにクライアントを入れると、パソコンで進む作業の画面をそのまま見て操作を引き受けられる。パソコンが施錠されていてもつながる。特に役立つシーンは二つある。外出先で、パソコンにやり残したことがあると思い出したとき。そして年長者のパソコンを遠隔で見てあげるとき。電話越しにどこを押すか当てずに、画面を見れば済む。デスクトップを画像として送っているわけではなく、作業そのものはパソコンで走り続け、スマートフォンは見る側と手を入れる側の入口を引き受けるだけだ。

UOS への登場が意味するもの

十一月三日、Marvis は UnionTech UOS のアプリストアに登場した。x86-64 と ARM64 の二つの構成のパッケージが同時に並び、deepin のコミュニティストアでも見つかる。対応する範囲は、Phytium、Kunpeng、Hygon、Zhaoxin といった国産のチップに及び、Intel と AMD の一般的な環境も含む。これ以前に HarmonyOS と Kylin に入っており、UOS で三つ目になる。主要な国産 OS をひととおり回ったことになる。

普通の利用者にとって最も直接的な変化は、どの機械でも使えるということだ。官公庁や企業の端末が国産のシステムに替わると、よく使うソフトに対応する版がないという壁にぶつかりがちで、それを越えられる OS 階層のアシスタントは、アプリが一つ増えるより実際の意味が大きい。あわせて、新しい利用者も既存の利用者も一人一日あたり一千万トークンの無料枠を受け取れること、枠はアカウントで共有され端末ごとには分かれないことが確認されている。

ソフト担当は特典を受け取るような細かい用事も引き受ける
ソフト担当は特典を受け取るような細かい用事も引き受ける

誰に向くか

コマンドラインとスクリプトに慣れている人なら、Marvis の能力の大半は自分で組めるので、惹かれるところは限られる。価値があるのは、設定を変えたいのに場所が見つからない、あのファイルがあったのは覚えているが出どころが思い出せない、このソフトがどうしてもきれいに消えない、といった細かくて頻繁な面倒を、ひとことの距離まで縮めることだ。境界もはっきり見ておきたい。ローカルモードは遅く、敏感な操作は確認を求め、作業が大きくなるほどハードに左右される。万能の外付け道具ではなく、システムの中に住む執事として扱うほうが、うまく付き合える。

Marvisダウンロード
対応OS: Windows macOS Android iOS HarmonyOS