ONLYOFFICE 10 の新機能:4 つのエディタに AI、35 件の脆弱性修正、モジュール化した 4 アプリ
要約
ONLYOFFICE 10 は、4 つのエディタすべてに AI を組み込み、35 件の脆弱性を修正した無料のオープンソース・オフィスソフトです。
おすすめ- ソフト名
- ONLYOFFICE
- バージョン
- 10
- オープンソース
- オープンソース
- OS
- WindowsmacOSLinuxWeb
- 更新日時
- 2026-11-03 20:16
ONLYOFFICE 10 は、Windows、macOS、Linux、そしてブラウザで動く無料のオープンソース・オフィスソフトです。この版は 50 の新機能を追加しましたが、読む価値があるのは構造の変化です。AI がサイドパネルではなく 4 つのエディタそれぞれの中に入り、協業のための空間が単独で有効化できる 4 つのアプリに分かれ、安全性の見直しで 35 件の脆弱性が塞がれました。デスクトップ版は広告なし、オフラインでも使えます。
AI は横に置かれず、エディタの中に座る
この 1 年、多くのオフィスソフトは同じやり方で AI を足してきました。サイドバーを開き、文章をコピーして外に出し、結果を待って貼り戻す。10 はその位置を変えました。チャットのタブが編集中のファイルの隣、エディタの中にあります。開いている文書を読むので、最初の指示に対して返ってくるのは、目の前のファイルについての答えであって、どこにでも当てはまる定型文ではありません。
4 つのエディタにはそれぞれの使い方があります。文書エディタでは要約の作成、段落の書き換えや短縮、ページ上での翻訳、校正と重要箇所の表示、目次の生成、見出しの提案、自動レイアウトができます。表計算では数式を作って計算方法を説明し、データの傾向を探し、予測を出し、ピボットテーブルを組み、不揃いな入力を整え、外れ値に印を付け、欠けている値を補います。プレゼンテーションでは 1 文からアウトラインを育て、話の順序と発表者メモを足せます。PDF では文書に質問し、要約し、内容からメールの下書きを作り、外に出したくない段落を黒く塗り潰せます。
自分のやり方に寄せることもできます。一度きりの作業は AI のショートカットに任せ、たとえば段落の語調を整えます。続けて見ておきたい作業はアシスタントに預けると、文書の変化に応じて反応します。よく使う指示はチャットに保存して、次回すぐ呼び出せます。モデルをどこで動かすかは選べます。クラウド版は提供元が接続したサービスを使い、サーバー版はどのモデルにも繋げられます。自分の機械で動くものを含むため、機密の文書が自分の管理下から出ません。
1 つの束を 4 つに分け、必要な分だけ入れる
より構造的な変更は、ひとまとめだった協業の空間を、単独で有効化できる 4 つのアプリに分けたことです。AI Agents、Forms、Rooms、Files の 4 つで、いずれも AGPL v3 の許諾で提供されます。AI Agents は MCP サーバーの支援を受けて検索を行い、個人の知識ベースを保ち、何段階もの推論が要る作業を引き受けます。Forms はデータを集め、集まった回答を AI で分析します。Rooms は協業を受け持ち、権限を細かく制御できる仮想のデータルームを含みます。Files は保存、検索、タグ、アクセス権を管理します。
導入する側にとっての意味は単純です。必要なものだけを入れられます。クラウド版はすべて既定で有効です。サーバー版は 1 つのコマンドで入り、そのあと必要に応じて切り替えます。後から機能を足すのに、仕組みごと入れ替える必要はありません。
PDF エディタは閲覧ではなく加工を補った
PDF は長らく扱いにくいままでした。読むことはできても、内容に手を入れるには変換を往復するしかない。10 はその往復を短くする道具を足しました。黒塗りは、見えている文字と一緒にメタデータや隠れた情報も消すので、共有したファイルに外へ出るべきでない痕跡が残りません。注釈パネルでは枠線、背景、不透明度を直接調整できます。文字を編集するときは表の構造が自動で認識され、行や列を手で描き直す必要がありません。署名は注釈タブから差し込め、フォームの署名欄に一度保存すれば繰り返し使えます。

派手なところはありません。どれも日々の作業から数分の面倒を減らすもので、そうした修正は機能一覧よりも実際の使用で効いてきます。
協業とプレゼンテーションの細部を磨いた
文書エディタでは、共同作業している人が相手のカーソルをリアルタイムで追えるようになりました。同じ段落を直すとき、相手がどこにいるかを推し量る必要はありません。次の段落と同じページに置く設定が加わり、長い文書での組み直しが一種類減ります。右から左へ書く文字の表示も直り、図形の数式や行内のオブジェクトがずれなくなりました。

プレゼンテーションにはアウトライン、ノート、配布資料のマスター、閲覧の表示が加わりました。印刷設定は配布資料のページ番号とコメントまで広がり、スライドは GIF や動画として直接書き出せ、切り替え効果ごとに既定の秒数を持たせられます。

表計算とグラフの手触り
表計算は見えない部分に手が入りました。書式とデータを分けて持ち、列や行の全体に対する配列数式が速くなり、SUMIF や COUNTIFS といった関数も最適化されました。数式バーは編集している範囲を示し、コピーと切り取りでは動く破線の枠が出て、関数の定数は入力中に候補が出て、セルの値は補完されます。シートは xls として保存でき、背景画像も読み書きできます。グラフにはデータテーブルの要素が加わり、数値の表を図のすぐ下に敷けるので、行と列が上の図形と対応します。

套件全体では ofd 形式に対応し、SVG 画像を編集できる図形に変換でき、プラグイン管理画面も作り直されて分類の切り替えが分かりやすくなりました。
本当の主役は安全性
50 の新機能は華やかですが、10 で数が大きいのは修正の側です。1000 を超える問題が解消され、そのうち 35 件が安全上の脆弱性で、40 件の安全修正については別に説明が用意されています。範囲は文書の変換、PDF の処理、マクロのサンドボックスから、SSRF、経路の横断、権限確認の迂回まで及びます。
記録すべきは既定値の変更です。JWT が既定で有効になり、鍵が空のときは署名せずにトークンを拒否します。変換と文書構築の窓口は、エディタの設定から来たトークンを受け付けなくなりました。ダウンロードは既定で完全性を検証し、WOPI のホストは IP の絞り込みで明示的に許可する必要があります。新しい導入は何もしなくても高い基準から始まります。
AI も設定項目になりました。エディタ単体の設定で切ることも、サーバーの側でプラグイン一覧から外すこともでき、AI 代理への要求は顧客の階層ごとに拒否できます。デスクトップ版は新しい開始画面になり、テンプレートとクラウドの区分が作り直されました。モバイル版には AI アシスタントが加わり、フォームは AI による自動入力に対応します。
ONLYOFFICE 10 は見た目の更新ではありません。AI を外付けからエディタの中へ移し、套件を必要な分だけ組み合わせられる部品に変え、35 件の脆弱性修正と安全側に倒した既定値で、オープンソースのオフィス道具に最も答えにくい問いに応えています。仕事のファイルを預けてよいと、なぜ言えるのか。ソースコードは GitHub で公開され、デスクトップ版は無料、広告なし、オフラインでも動きます。データを自分で握っておきたい個人や小さなチームには、ボタンがいくつか増えることより、この組み合わせの方が説得力を持ちます。