Amp はエージェントを遠隔の Orb へ送り、ノートを閉じても仕事を続けさせる

要約

タスクごとにきれいな遠隔マシンを用意し、ノートを閉じてもエージェントは働き続ける。ブラウザ、端末、携帯のどれからでも引き継げ、モデルを自分で持ち込めばプラットフォーム側の費用はかからない。

おすすめ
ソフト名
Amp
バージョン
0.0.1789481293
オープンソース
非オープンソース
OS
WebWindowsmacOSLinux
公式サイト
https://ampcode.com
更新日時
2026-10-29 22:00

コーディングエージェントを遠隔の Orb に置けば、ノートを閉じても仕事は終わる。Amp は働く場所ごと移してしまった。

モデルと一緒にコードを書いた人なら、あの居心地の悪さを知っている。エージェントは手元のマシンで走っているので、電源を切るわけにいかない。同時にたくさん任せるわけにもいかない。ファンが唸り出せば、複数のエージェントが一つの CPU を取り合っているのだと分かる。Amp の答えは、実行環境ごとよそへ移すことだった。タスクごとに遠くにマシンを一台立て、それを Orb と呼ぶ。手元のマシンは指示を出し、結果を見るだけになる。

先にひとつはっきりさせておきたい。Amp はもう Sourcegraph の製品ではない。もともと Sourcegraph の内部で育ち、2025 年 12 月に正式に分離して Amp Frontier Corporation になった。Sourcegraph の共同創業者が経営を担い、創業チームも元の面々だ。製品の中身は変わっていないが、「Sourcegraph の Amp」という言い方はもう過去の話になる。現在はソース非公開の商用製品で、無料と購読の混ざった形を取る。

Orb。タスクごとに一台のきれいな遠隔マシン

Orb がこの仕組みの中心だ。ウェブでも端末でも携帯でもスレッドを一本立てると、Amp はそのためにきれいな遠隔マシンを立ち上げ、コードも拡張も道具も入れて、エージェントはその中で作業を始める。公式の定義はそっけない。エージェントが見張りなしで走る遠隔マシン、である。

これでいくつかの具体的な面倒が片づく。ひとつは隔離。どの Orb もまっさらな環境なので、別々のタスクの依存がぶつからない。ポートも衝突しない。使い終われば捨てるだけで、後片付けも要らない。もうひとつは数。何百、場合によっては千単位で開ける。小さな修正も機能の作り込みも同じ流れで進み、こちらがやるのはプロンプトを送ることだけになる。

デスクトップアプリから Orb を眺め、引き継ぐ

ノートを閉じても、エージェントは続ける

実行が遠くで起きるのだから、開いたままのマシンを見張っている必要はない。プロンプトを送ってノートを閉じれば、エージェントは Orb の中で仕事を続ける。あとからウェブでも端末でも携帯でも、進み具合を見て次の指示を出せる。

公式の言い方も具体的だ。ノートを閉じたあとも、Orb の中のエージェントは働き続ける。複数のタスクを同時に抱えるとき、この形はとりわけ楽だ。各タスクが自分のマシンと自分のコンテキストを持ち、端末の窓をいくつも行き来する必要がない。

携帯からいつでも Orb を引き継ぐ

クライアント側には macOS と iOS のアプリがあり、いまはベータ扱いだ。通知を出し、音声入力に対応し、他のアプリから画像を送り込める。特筆すべきは、携帯側ではエージェントが一切走らないこと。エージェントは Orb の中で走り、端末の上では走らない。だから携帯はただの遠隔操作器で、電池や発熱の負担は小さい。

自分で目を覚ますエージェント

Orb には面白い設計がある。エージェントが手持ち無沙汰になると、Orb は自分から眠りに入る。眠っている間は課金されない。もう一度プロンプトを送れば目を覚まして続きをやる。何週間も眠らせておいて、戻ってきても問題なく使えたという話を公式はしている。眠っている Orb はセッションもファイルも動いているサービスも保つ。

さらに、Orb は外の出来事で起こせる。課題管理に新しいチケットが立った、本線の継続的インテグレーションが落ちた、自分で仕込んだ定時タスクの時刻が来た。どれでも仕事が始まる。たとえば「これから八時間、四十五分おきに一回やる」と普通の言葉で言えば、エージェントが自分で計画を組み、しばらく眠り、時刻に起きる。プログラミングの中の「当番」の部分は、これで引き渡せる。

Portal。Orb の中でアプリを動かす

差分だけを見て変更の良し悪しを決めるのは、実際しんどい。ここのやり方は、Orb の中でアプリをそのまま動かし、portal として外に出す。ポートを聞き、HTTP を話せるものなら何でも portal になる。Amp の中で開けば、エージェントが変えたあとの実際の姿が見られ、しかも即時再読み込みが効く。手元での checkout も、手元での開発サーバーの起動も要らない。

portal には独立した住所があり、同僚に送って見せられる。Orb のスレッドにもそれぞれ住所があり、他の人がこちらとエージェントのやり取りをまるごと読める。

同僚を同じ Orb に招き入れる

Multiplayer は同僚を同じ Orb に招き、同じエージェント、同じコード、同じ動いているアプリの操作権を分かち合える。エージェントが働くのを眺めながら話し合えるし、Orb の中でそのまま会話も開ける。自分で手を動かす必要が出たら、Orb の中でシェルを開き、エージェントと同じ tmux セッションを共有する。ファイルを見る、テストを走らせる、不具合を追う、すべて同じ現場で起きる。

変更だけを手元に持ち帰りたいときは amp sync を使う。Orb のスレッドの変更を手元の checkout に鏡のように映し、エージェントは遠くで走り続ける。

スレッドの住所をそのまま共有して共同作業できる

四段階の強さを、ひとつのつまみで

Amp はモデルを選ばせない。選ばせるのは「強さ」だ。2026 年 7 月から、従来のモードは四つの段階に置き換わった。公式はこれが能力のプリセットであって、固定のモデル選択器ではないと強調する。実際にどのモデルを呼ぶかは Amp が決め、どの購読を繋いでいるか、作業場所にどんな制約があるかで振り分ける。

low は速くて安い。小さくはっきりした仕事向け。medium は速度と費用の釣り合いを取り、ほとんどの仕事はここを通る。high は深い推論が要る難しい問題へ。ultra は最上位で、開かれた難題を扱う。

主となるエージェントのほかに、第二の意見を出す oracle、リポジトリをまたいで探す librarian がいて、プロジェクトの取り決めは AGENTS.md に書く。道具の呼び出しの権限は拡張の仕組みで締められる。さらに Puck というメタエージェントがいて、他のエージェントの管理と段取りを担う。2026 年 8 月からは音声によるリアルタイム操作にも対応した。

無料で使う道。モデルを持ち込めばプラットフォーム側はかからない

2026 年 9 月中旬から課金の形が変わり、中心は「プラットフォームの費用」と「計算の費用」を切り離すことだった。

新しい Hobby の無料段階には製品の機能がひととおり入る。自分の ChatGPT 購読やモデルの API キーを繋げられ、持ち込みの鍵に追加のトークン料はかからず、量の上限もない。自分のマシンで runner を開いてエージェントを走らせるのも無料だ。本当に従量で課金されるのは Orb で、これは遠隔のマシンであり稼働時間で値段が決まる。他人の購読を引き継ぐか、手元の runner で済ませるなら、日常の利用はプラットフォーム費用ゼロにできる。

有料側では、Megawatt が月二十ドルで四万五千分の Orb 時間と二十ドル分の枠が付く。Gigawatt は月二百ドルで、より上の Orb と枠が付く。教員と学生には月十ドルの優遇があり、チームの協働に人数分の追加料金はかからない。企業向けは要望に応じて作り込む。ついでに書くと、保持ゼロとデータ保持の最小化という約束は、企業顧客との契約上の保証にとどめず、すべての利用者に広げられた。

対応範囲は、ウェブが入れずにそのまま使え、端末の CLI は macOS、Linux、WSL に対応する。Mac と iPhone、iPad にはネイティブのアプリがある(ベータ)。

Amp が解こうとしているのは、コードが速く書けるかどうかではなく、こちらがどれだけ見張っていなければならないかだ。エージェントを遠隔の Orb に置けば、蓋を閉じ、席を離れ、眠っている間に仕事を終えてもらえる。そのこと自体が、補完の機能がもうひとつ増えるよりずっと面白い。

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対応OS: Web Windows macOS Linux