Hailuo の H3 は4つのモダリティを1つのコンテキストにまとめ、2K を既定にした
要約
プロンプトも静止画も音声も同じ一回で読み取り、ステレオは描画のあとで足すのではなく最初から一緒に作られる。2K も追加料金の段ではなく出発点で、公式が語る秒単価は主要モデルの3分の1未満という。
おすすめ- ソフト名
- Hailuo
- バージョン
- 20260916
- 料金
- 無料
- オープンソース
- オープンソース
- OS
- WindowsmacOSiOSAndroid
- 公式サイト
- https://hailuoai.com/
- 更新日時
- 2026-10-06 20:00
MiniMax は動画生成を Hailuo という名前で出している。中国語サイトのトップにある一文はかなり直球で、どんなアイデアも一本の映画になる、というものだ。いま中心にいるのは H3 と H3 Max の2モデルで、同じ告知帯には新規ユーザーへ 3000 の無料ポイントという案内も並ぶ。作業スペースは広くない。動画は H3、画像、音声、そして動画をつくる・画像をつくる・Hailuo Agent という三つの入口だ。
4つのモダリティを1つのモデルへ
公式の位置づけは一文だけ――オープンウェイトで汎用のオムニモーダル生成モデル。研究一覧には Open Weights のラベルも付いている。H3 を紹介する記事は、前の2世代がなぜああいう形だったのかから始まる。Hailuo 01 はシステムをゼロから組み、Hailuo 02 はアーキテクチャの効率、データ品質、規模を磨いた。H3 は別の道を選び、切り分けられていた仕事を貼り直す。
画像側はテキストからの生成、編集、被写体参照、動き参照、スタイル参照という別々の専門モデルに分かれていた。音声は声、効果音、音楽がそれぞれ独立に研究され、動画はテキストからの生成、画像からの生成、最初と最後のフレーム、被写体参照、動き参照、声質参照、動画編集と細かく割れていた。モダリティ間の壁も同じように固かった。その壁は作り手が求めるものを狭め、モデルの汎化も頭打ちにしたので、タスクを一つの屋根の下へ戻すことが H3 の最初の設計原則になった。
出力は 768P と 2K、最長 15 秒、ステレオは標準
記事の冒頭に三つの主張がある。H3 はテキスト、画像、動画、音声を同じコンテキストで読む。ネイティブのステレオ音声付きで動画を作る。2K で最長 15 秒、しかも 2K は追加ではなく既定だ。ドキュメントはもっと細かい。出力は 768P と 2K、長さは 4 から 15 秒で整数のみ。推論基盤と共同で発表し速度を詰めた H3 Max は 480P と 768P、5 から 15 秒になる。
音声はこの世代の重心のひとつだ。公式の説明ではすべての音声出力がネイティブステレオで、声、効果音、音楽を別々にモデリングせず一緒に生成する。だからクリップが出来た時点で音がすでに画面に張り付いており、編集の仕事はアフレコではなくバランス調整に変わる。

三つの作り方
テキストから作るならプロンプトだけでよい。画像から作る場合は最初のフレームと最後のフレームの画像を受け取り、枚数は 0、1、2 枚のいずれか。始まりを固定する、終わりを固定する、両方を渡して間を埋めさせる、という使い分けになる。最後の使い方は、静止画を動かしたいが別のシーンは増やしたくないときに効く。
参照生成は参照画像、参照動画、参照音声を混ぜて、人物、動き、カメラワーク、スタイル、声質、編集のリズムを固定する。上限は明記されている。画像は 9 枚まで、動画は 3 本まで(各 2 から 15 秒、合計 15 秒以内)、音声は 3 本まで、混在入力の合計は 12 ファイルまでだ。
2K は超解像ではなく再生成で作る
パイプラインの終端に専用の超解像モジュールを足すのではなく、基盤モデル自身に低解像度の出力をコンテキスト内で作り直させる。これが In-Context Regeneration だ。利点は二つ。すでに持っている生成能力を別のネットワークに複製せず使い回せること。そして再生成の際に元のマルチモーダルなコンテキストをもう一度呼べること。従来の超解像が推測するしかなかった小さな文字や細かい質感が戻ってくるのは、この二つ目のおかげだ。
すでに手元にある素材には別の入口がある。768P の仕様を満たすクリップなら、再生成のジョブで 2K に引き上げられる。リクエストには元の生成に使った内容をすべて再現し、元動画の項目を一つ足す必要がある。

生成の前にコンテキストを読む
マルチモーダルな入力はすぐ手に負えなくなるし、手書きのプロンプトでは表現しきれない。公式の答えが H3-Context-IR だ。テキスト、画像、音声、動画をまとめて解析し、入力同士の関係を推論して、より意味の濃い構造化された記述を返す。返るのは強化されたプロンプトだけで、動画は出てこない。生成前の翻訳層であって、生成器ではない。
背後にあるのは Contextual Omni Representation で、言語を汎化可能な橋渡し兼インタプリタとして使い、タスクを開かれた記述へと均す。理解のパイプラインはおよそ 100K トークン の素材を平均 4K トークン 程度まで蒸留してからモデルに渡す。
価格の主張
費用対効果について記事はこう書く。H3 は既定で 2K を出し、2K では毎秒の価格が主要モデルの3分の1未満、768P では主要モデルが 720p に付ける価格の半分未満になる。これは提供側の言い分なので、使う側は自分の量で計算し直せばよい。
個人向けは、中国語サイトが月 42 元から、国際サイトが月 9 ドル 99 セントからと案内し、どちらも新規登録で無料ポイントを配る。中国語サイトの表記は 3000 ポイントだ。

API から動かす
生成は非同期で、ドキュメントは三つの手順に分けている。まずジョブを作って task_id を受け取る。その id を問い合わせ、成功すると応答が完成した動画の場所を直接返すので、別のファイル id をやり取りする必要はない。最後にその場所から取得する。10 秒ごとの確認が推奨で、failed と cancelled は終端の状態になる。
入力側の上限も先に覚えておきたい。プロンプトは 7000 文字まで。単体ファイルは動画 50 MB、画像 30 MB、音声 15 MB まで。リクエスト本体は 64 MB までで、大きな素材は URL で渡すほうがよい。動画は H.264/AVC と H.265/HEVC、画像は JPG、PNG、WEBP、HEIC、音声は WAV と MP3 に対応する。

細かい但し書き
オープンウェイトはまだ表明と計画の段階だ。サイトはすでに H3 を open-weight と表示しているが、記事には適用される法令の範囲で後日モデルの重みを公開する予定だとある。基準になるのは実際に出ている版で、計画ではない。
参照素材は多ければよいわけではない。混在入力の合計は 12 ファイルが固い上限で、中国語サイトと国際サイトでは既定値の表示も違う。実際の枠は選んだモデルと段階で決まる。
二つのモデルは互換ではない。H3 は 768P と 2K で 4 から 15 秒、H3 Max は 480P と 768P で 5 から 15 秒。選ぶ前に完成品の要件に合わせる。
3分の1という数字は提供側の主張で、第三者の価格やキャンペーンは動く。予算はその時点の公式価格で組み、生成物は基盤の規範と現地の法令を満たす必要がある点も忘れない。
まとめると、今回の見どころは動画生成の入口がまた一つ増えたことではない。H3 が動画、画像、音声の理解を一つのコンテキストに畳んだことだ。2K が既定、最長 15 秒、最初からステレオ、2K は超解像ではなく再生成、参照の枠は画像 9 枚、動画 3 本、音声 3 本。同種のツールと並べたときの実用性は、この数字のほうが語っている。