ローカルとクラウドのエージェントを一枚のボードに——Devin Desktop の統合画面
バージョン 3.10.27
要約
Windsurf から改名した Devin Desktop は、ローカルとクラウドのエージェントを同じボードに集約し、オープンなプロトコルで他社製や自社製のエージェントも受け入れる。
おすすめ- ソフト名
- Devin Desktop
- バージョン
- 3.10.27
- オープンソース
- 非オープンソース
- OS
- WindowsmacOSLinux
- 更新日時
- 2026-10-05 17:07
デスクトップにエージェントがひとつ載っていて、ターミナルのタブでもうひとつが走っていて、雲の上では三つ目が長いタスクをかじっている。どれもウィンドウを一つずつ占有し、切り替えるたびに少しずつ記憶を食う。どれがテストの結果待ちなのか、どれが権限確認で止まっているのか、どれが一時間前に終わったのに誰も気づいていないのか。この画面まわりの厄介さを、Cognition は製品の一部にしてしまった。2026 年 6 月、それまで Windsurf と呼ばれていたエディタは Devin Desktop に改名し、エージェント・コントロールセンターをサイドパネルではなく既定の画面に置いた。
公式の説明はそのまま引用したほうがいい。語順に意図があるからだ。Devin Desktop はエージェント管理機能を内蔵した完全な IDE であり、その逆ではない。
一枚のボードに、ローカルとクラウドを並べる
コントロールセンターは、エージェントに渡したタスクを状態ごとの列に振り分ける。実行中、停滞中、完了したが未処理。同時にいくつも走らせておけて、進み具合は一目でわかり、人が判断すべき場所にだけ入ればよくなる。ひとつのセッションの前に座って終わるのを待つ必要はない。セッション、Pull Request、ファイル、コンテキストは同じ Space にまとめられるので、複数のエージェントがその素材を共有でき、それぞれがゼロからプロジェクトを覚え直すことにはならない。
チーム自身の課題認識は、ボトルネックがどこへ移ったかについて正直だ。エンジニア組織にもはや必要なのは、AI のコーディングツールを使うべきかどうかの説得ではない。どんどん長くなるエージェントの部隊を、組織の中でどう見張るか、である。コントロールセンターはまさにそこを狙っている。

自社製のエージェントだけを回すわけではない
Devin Desktop は Agent Client Protocol に対応している。互換性のあるエージェントを、互換性のあるエディタの中で動かすためのオープンな仕様だ。Devin 自身だけでなく、他社製のエージェントやチームが内製したエージェントも接続でき、生え抜きのものと同じ扱いを受ける。同じボードに現れ、Spaces の中で動き、他のエージェントとコンテキストを共有する。

セッションの置き場所は三つある。ローカル、独立した作業ツリー、そしてクラウド。切り替えは同じウィンドウの中で完結し、認証情報もルールもコンテキストも作業と一緒に移動するので、別のツールで一から設定し直す必要はない。
ローカルの担当が入れ替わった
Windsurf を使ったことのある人なら Cascade を覚えているはずだ。ファイルツリーを走査し、関連する参照をたどり、一連の動作を並べ、それからターミナルコマンドを実行する、最初期のコンテキスト認識エンジンである。公式の変更履歴によれば、安定版からはすでに外された。後を継ぐ Devin Local は Rust で一から書き直したローカルエージェントで、機能も設定も Cascade と揃えてあり、同じ結果を出すのに多くのタスクでトークン消費を最大三割減らせるとチームは説明する。
Devin Local は、細かい作業のための独立したサブエージェントを前景でも背景でも派生させられる。サブエージェントはツールとコードベースのコンテキストを親と共有しつつ、会話の連鎖はそれぞれ独立して持つ。その上に OS レベルのサンドボックスが載る。書き込み可能なパスは権限の範囲で決まり、ネットワーク接続はドメインの許可リストで制限される。ローカル実行は以前よりずっと扱いやすくなった。

日常で本当に効く小さな機能がある。Quick Review は Devin Local に付いてくる専用のサブエージェントで、ローカルの変更に対して素早く一度レビュー意見を取りに行く。人間のレビュー工程を待たずに、コミットの前に指摘が返ってくる。古いセッションも無駄にならない。コマンドパレットの移行ウィザードが、ワークフローと記憶をまとめて引き継いでくれる。

中身は依然として完全な IDE だ
名前が変わっても道具は変わらない。エディタ、拡張機能、キーバインド、言語サービス、ワークフローはすべて残り、前のバージョンとも、主要なエディタのプラグイン生態系とも後方互換を保つ。ルールファイルも互換のままだ。従来の書き方は引き続き読み込まれ、新しいルールディレクトリが優先され、AGENTS.md のような一般的な書き方にも対応する。ディレクトリ形式のルールは、ファイル冒頭で有効化の方法を宣言できる。常時有効、モデルの判断、パスによる照合、手動での呼び出し。管理者は組織全体にひとそろい配布することもできる。
ただしインストーラの名前は変わった。macOS ではアプリが Devin という名前になり、Windows でも実行ファイルが同じ名前を名乗る。個人利用者にとっては普段どおりの更新だ。デバイス管理ポリシーを預かる IT にとっては、新しい名前をあらかじめ許可リストに入れておかないと、ポリシーが黙って利用者を締め出すことになる。
エージェント・コントロールセンター状態ごとに列を分けたボードで、ローカルとクラウドのエージェントを同じ場所で管理する。
Spaces複数のエージェントがセッション、Pull Request、ファイル、コンテキストを共有できる。
オープンなプロトコル接続Agent Client Protocol に対応していれば、他社製も内製も同じボードに並ぶ。
ローカルエージェントRust で書き直した Devin Local。チームの説明ではトークンを最大三割節約でき、サブエージェントとサンドボックスを備える。
料金はどうなっているか
無料の Free はゼロドルで、軽めの枠が付く。インライン編集とタブ補完は無制限、選べるモデルの範囲は限られる。Pro は月二十ドルで枠が広がり、最先端モデルへのアクセスが開き、デスクトップアプリとコマンドラインツールの両方で自社の SWE-2 と一群のオープンモデルを無料で使える。公式ページではこの特典を 2026 年 10 月までと明記している。クラウドエージェントも付いてくる。Max は月二百ドルで枠がさらに大きい。チーム向けは月八十ドルの基本料に、フルタイムの開発者一人あたり月四十ドルを積む形で、請求の集約、分析付きの管理画面、優先サポートが含まれる。
ひとつ気に留めておきたいのは、表示価格は固定のタスク数ではないという点だ。Pro とチームの席は日次・週次の枠で計算されるので、がっつり使うチームは思ったより早く上限にぶつかる。料金ページには同時セッションの上限も載っていて、Free と Pro は最大十、Max とチームは無制限となっている。
エージェントが増えたとき、足りなくなるのは演算能力ではない。人が同時に気にかけられる本数のほうだ。入口を一枚のボードにまとめるのは、その注意力の置き場所を作るということでもある。