ZoomIt 12.3、録画の字幕が聞き取りに、説明の仕事はひととおり揃う
要約
マイクロソフトの無償の説明の道具 ZoomIt は、拡大、注記、切り取り、画像からの文字の取り出し、録画をすべてキーの組み合わせで行う。12.3 版は録画の字幕に聞き取りを足し、Windows でも macOS でも動く。
おすすめ- ソフト名
- ZoomIt
- バージョン
- 12.3
- 料金
- 無料
- オープンソース
- オープンソース
- OS
- WindowsmacOS
- 更新日時
- 2026-11-01 11:27
常駐の棚に座り、キーの組み合わせだけで動く説明の道具である。拡大したいときは一度押し、印を付けたいときも一度押し、録りたいときも一度押す。
説明の場で起きる、ちょっとした気まずさ
投影の機械を繋ぎ、資料を構成の図の頁まで送る。後ろの席の誰かが手を挙げる。「すみません、読めません」。窓を大きくすれば並びが崩れ、解像度を変えれば字がぼやける。あるいは会議が遠隔で、共有した画面の会話になんの字が小さいと流れ、キーの上をしばらく探しても系統の虫眼鏡の在り処が見つからない。
こうした場に欠けているのは大きな画面ではなく、画面に向かって話すために作られた小さな道具である。ZoomIt はまさにそれで、マイクロソフトの Sysinternals の出であり、作り手は Mark Russinovich、大きさは小さく、常駐の棚にいて、普段は見えず、キーの組み合わせで呼ばれて初めて姿を出す。
二つの拡大、二つの速さ
止めて拡大するのは Ctrl+1。画面がポインタを中心にその場で止まり、そのまま大きくなる。車輪で 1.25 から 4 倍の間を動かし、矢印のキーかマウスで絵を引きずれる。動かない設定の画面、数行のコード、一枚の表を語るとき、これで聞き手の目を話している場所に留められる。
流したまま拡大するのは Ctrl+4。絵が大きくなったまま、その中で押し続け、打ち続けられるので、一続きの操作の流れを見せるのに向く。ポインタがここへ行き、押したのはこの釦だと、聞き手が最後まで付いてこられる。二つの違いは言葉にしておく値がある。前者は見てくださいで、後者は私のやり方を見てくださいである。
画面を板にする
Ctrl+2 で注記の側に入る。拡大しなくてもそのまま描ける。R、G、B、Y、O、P で赤、緑、青、黄、橙、桃の六色を選び、Shift を押しながら同じ字を押すとその色の半透明の蛍光の筆に変わる。Shift を押しながらで直線、Ctrl で四角、Tab で楕円、Ctrl+Shift で矢印になる。Ctrl+Z で一本戻し、E で全部消し、空白のキーでポインタが絵の真ん中へ戻る。
見落とされやすい使い方が二つある。X でぼかしの筆に変わり、郵便の宛先や客の名や内部の数を数回なぞれば塗り潰せるので、見せるべきでない情報が出てきたときに窓を閉じるために慌てずに済む。W で白い板、K で黒い板になり、軽く図を描きたいとき画面がその場で画布になる。字を書きたいときは T を押してそのまま打ち、Ctrl と車輪で大きさを決める。
12.3 が変えたもの、聞き取る字幕
マイクロソフトは 10 月 15 日に ZoomIt 12.3 を出した。変更は一行で、画面の切り抜きに付ける字幕が聞き取りを受けるようになった、というものである。地味に聞こえるが、説明の動画を録る人には実用的だ。以前は字幕といえば後から打つか、別の道具で音声の聞き分けを走らせて戻ってきて位置を合わせるかだった。今は録る流れの中で音声が字幕になり、ひと手間が消える。
この変更は単独ではない。幾つか版をさかのぼると、ZoomIt は録る側をずっと埋めてきた。12.0 はカメラの小窓を重ねられるようにし、隅に話し手を置けるようにした。12.1 は画像の背景、話し手の後ろのぼかし、マイクの雑音消しを足した。12.2 は DemoMirror を足し、画面や画面の一部や一つの窓を二台目の表示へ写せるようにした。12.3 が字幕を足したことで、録ってから仕上げるまでの道はほぼ揃った。
録ることもできる
Ctrl+5 で画面全体の録画を始めたり止めたりし、Ctrl+Shift+5 は先に範囲を囲んでから録り、Ctrl+Alt+5 はポインタのある窓だけを録る。書き出しは MP4 でも小さくなる GIF でもよく、既定は MP4 である。系統の音とマイクを一緒に取り込め、顔を出したいときはカメラの重ねを入れ、録り終えたら備え付けの切り貼りで余分な部分を落とせる。
キーの組み合わせを一組として見ると、Ctrl+1 は止めた画面の拡大とその上への注記、Ctrl+4 は働きながらの拡大、Ctrl+2 は拡大せずに画面へ注記、Ctrl+5 は全体と範囲と窓の三通りの録画、Ctrl+3 は画面全体の数え下ろし、Ctrl+7 は DemoType、Ctrl+8 は流しながらの広い切り取りである。
隅に隠れた気の利いた働き
切り取りと文字の取り出しは同じ組のキーを使う。Ctrl+C で今の画面を貼り付けの置き場へ写し、Ctrl+S で PNG として残し、Shift を添えると先に切り抜いてから写すか残すかになる。Ctrl+Alt+6 はもっと面白い。画面の一部を囲むと、中の文字が読み取られてそのまま貼り付けの置き場に入り、貼れば編集できる文字になる。誰かが切り取りを送ってきて中の不具合の文を写してくれと言われたとき、手で打つよりずっと速い。
Ctrl+3 は画面全体の数え下ろしで、既定は 10 分、Ctrl と車輪で長さを変える。数えている間に別の窓へ移って仕事を続けても止まらず、要るときに棚の印を一度押せば表示が戻る。会議の進みを保つにも、分かれて話す時間を区切るにも、画面の数はそこにいる全員に見える。
DemoType は私が最も好む一つである。Ctrl+7 を押すと、あらかじめ用意した文のファイルを読み、決めた速さで一文字ずつ今の窓へ打ち込む。命令や脚本を見せるとき、その場で打つのは遅く打ち間違えも多く、かといって塊ごと貼ると一行ずつ生まれていく感じが消える。この働きはその間の空白をちょうど埋め、速さも変えられる。
Windows の外にも
ZoomIt は長く Windows の版しかなかった。今年の 7 月にマイクロソフトが macOS の版を出し、拡大、注記、切り取り、録画、休みの計りがそのまま移り、さらに映像の切り貼り、広い取り込み、中断できる計りが加わった。Windows の独立した版と Mac の版はどちらも公式の道から取れ、源はマイクロソフトの GitHub の倉庫に MIT の許諾で置かれている。
説明の道具の良し悪しは機能の数ではなく、呼び出したときに話しているものから離れずに済むかで決まる。ZoomIt は拡大、注記、切り取り、録画、計りを幾つかのキーの組み合わせで一本の線に連ね、話の調子を切らない。12.3 が聞き取りの字幕を足したことで、話すところから録るところまでの道に目立つ切れ目はなくなった。