Sketchbook、画面は絵のための場所、百を超える筆は紙と鉛筆の手触り
要約
大きなソフト会社の中から生まれ、2021 年に独立した描画の道具。画面は作り手に譲られ、百を超える調整できる筆が筆圧と傾きに反応する。レイヤーの合成、対称、ぱらぱら漫画、時間を縮めた録画もそろい、机の上の版は一度だけ払えばよい。
- ソフト名
- Sketchbook
- バージョン
- 9.4.7
- オープンソース
- 非オープンソース
- OS
- WindowsmacOSAndroidiOS
- 更新日時
- 2026-10-06 23:20
下描きのための画面が、絵の場所を返してくれる
描画の道具の多くは機能を詰め込み、画面にボタンがあふれて、いざ手を動かすときに気が散る。Sketchbook の考え方はその逆である。道具は画面の端に隠れ、呼ばなければ姿を見せない。面積のほとんどは絵を描く場所に明け渡され、使い始めの感触はプログラムよりも一枚の紙に近い。もとは大きなソフト会社の中で生まれ、2021 年に独立した会社として開発を続けており、いまでは挿絵を描く人、構想を練る人、ただ絵を描くのが好きな人の間で名の通った道具になっている。
百を超える筆、手触りは実物に近い
鉛筆、マーカー、噴き付け、ぼかしはそれぞれに性格が違い、跡はペンを押す強さと傾きで変わるので、線の強弱が手にそのまま従う。どの筆も値を調整でき、他の描き手が作った筆を持ち込むことも、自分で整えた一式を配ることもできる。線の予測は震える線を引いている最中に整えるので、線を清める段になってずいぶん楽になる。定規、雲形定規、透視の補助線は精度が要るときに働き、建物の透視図や工業の下描きがはかどる。
重ねて混ぜる層と、労力を半分にする対称
層の仕組みは二十種類を超える混ぜ方を備え、重ねる、乗算、スクリーンといった定番がそろう。下塗り、光と影、細部がそれぞれ層を取って互いに干渉せず、層の組も PSD の書類を通してそのまま残る。対称の道具は上下、左右、放射に対応し、曼荼羅や文様、人物の設定画では時間が半分になる。層の組を使えば、下描き、線、色、光をまとめて畳んだり開いたりでき、仕事の段取りが画面の上にそのまま並ぶ。線を清める段になって、このまとまりの有無は作業の速さにはっきり出る。付属のマーカーの色見本は商業の挿絵にそのまま使える色の手がかりを与え、自分の配色は仕事ごとに色をまとめておける。
ぱらぱらの漫画と、制作そのものの記録
ぱらぱらの側は、昔ながらの手描きの二次元の動きを作れる。一こま一こま描いたあと、そのまま動画や動く画像として書き出せ、動く絵コンテや短編の下書きに向く。時間を縮めた録画の様式は、作品ができるまでの全体を動画として残すので、提出にも共有にも都合がよい。書類も問題ない。層を持つ PSD と TIFF は読み書きでき、ありふれた画像の形式にも書き出せ、作品は机の上の別のソフトへ持っていって続きを描ける。
机の上は買い切り、持ち歩きは無料
2026 年 9 月の時点で、机の上の版は 9.4.7 に達しており、投げ縄での塗りと選択の縁取りなど実用的な機能が加わった。画面の印の一覧も短い呼び出しも好みに合わせて組み替えられる。机の上は一度だけの支払いで、広告も定期的な請求もなく、板と電話の版は無料で入手でき、進んだ筆は購入で開く。板と筆圧のペンの支えは行き届いており、圧力も傾きも正確に読み取られ、中国語の画面もそろっている。絵そのものに集中したい人、余計な仕掛けの要らない人には、試す値打ちがある。
道具をしまっておくほうが、描く手は速い
道具を端に寄せるのは並べ方の問題に見えて、実際に変わるのは手の調子である。一枚描くあいだに、目は画面と一覧のあいだを思っているよりずっと多く往復している。いつも出ているボタンは、視線が通るたびに要るか要らないかを決め直させ、その積み重ねが疲れになる。要るときだけ呼ぶ形にすれば、視線の降りる場所はずっと少なくなる。印の一覧や、組み替えられる短い呼び出しも同じ理屈で、覚えてしまえば筆を替えるにも層を替えるにも保存するにも、画面の真ん中から離れずに済む。手が探しに行かないので、線が途切れない。
もちろん、この形が誰にでも向くわけではない。何ができるかを一覧で見ながら覚えたい人には、隠れた道具は不親切に見える。だが手が先に覚えてしまう種類の仕事、つまり毎日同じ流れで絵を仕上げていく仕事には、画面の静けさのほうがよく効く。