Recraft はピクセルではなく編集できる SVG を出す

要約

ベクターの変種はラスタ画像ではなく編集できる SVG を書き出し、見本を数枚渡せば訓練なしで一そろいのブランドの作風が固まり、文字の長さも位置も制御できる。

おすすめ
ソフト名
Recraft
バージョン
v4.1
料金
無料
オープンソース
非オープンソース
OS
WindowsmacOSiOSAndroid
公式サイト
https://www.recraft.ai/
更新日時
2026-10-06 22:22

画像生成のここ数年の弱点は、本当の意味では埋まっていない。返ってくるのは画素であって、図形ではない。包装に刷り、ブランドの手引きに載せ、あるいは入稿データに入れて誰かが手を入れる前提のアイコンや挿絵が欲しいとき、たいていはまずベクター化の道具にラスタ画像を通す。するとパスはざらつき、アンカーポイントがあちこちに散らばる。Recraft はこの弱点を主戦場に選んだ。公式の説明には、ベクターの変種がラスタ画像ではなく編集できる SVG を直接書き出すと明記されている。

ベクターは後処理ではなく、そのままの出力

ここが Recraft のいちばん本質的な違いだ。制作にそのまま使える SVG のベクターが、公式サイトの能力一覧の先頭に置かれ、専門水準の細部を持つ精密なベクターファイルで、印刷、ウェブ、ブランド設計をまたいで拡大縮小できると説明されている。ベクターの編集画面も付いてくる。生成した図形をカンバス上で選び、アンカーポイントをそのまま動かし、終わったら SVG として書き出す。パスも形も線も編集できる状態のまま残るので、一般的なデザインソフトの流れにすんなり入る。

Recraft のベクター編集画面:生成した図形のアンカーポイントを選び、パスと形をさらに詰めている

作風の固定は、見本数枚で足りる

二つ目の能力は一貫性だ。現在の作風の機能は、見本の画像を一枚、多くて十枚まで受け取り、モデルが画面全体の組み立てを固定する。質感、色の組み合わせ、描き方までで、おおよその雰囲気だけではない。しかも訓練は要らない。公式の説明はさらに、第三者が実施した目隠しの比較に触れ、その機能の精密なモードが複数の有力な画像モデルとの同題の対決で、十回に九回を超える割合で上に立ったとしている。一そろいの素材を一度に作る必要のあるチームにとって、一枚が良く見えることより、どれも同じ系列に見えることのほうが難しい。

Recraft の作風固定:左に見本を数枚置き、右に同じ調子の素材をまとめて出したところ

モデルの並びと四つの変種

自社のモデルは四世代が出ている。最新は V4.1 で、写実は写真に近づき、ベクターと挿絵は鋭くなり、短いプロンプトでも良い結果が出る。そして Utility の変種を初めて持ち込んだ世代でもある。一つ前の V4 は、日常のラスタとベクターの生成で頼れる既定であり、様式化の傾向が強い。その前の V3 は一枚あたりの費用が低く生成も速く、作風の一貫性、文字位置の正確さ、芸術的な階層の制御を売りにする。いちばん古い V2 は最も安く、見た目と線幅をそろえたベクターのアイコンに向く。

変種はもう一層の選択だ。Standard は既定のラスタモデル。Pro は解像度を高く出し、印刷級や大判の素材に向く。Vector はラスタではなく編集できる SVG を直接生む。Utility は V4.1 だけにあり、平らな光と正面の構図を使い、創意の探索ではなく見本の合成や商品の写真に向けたものだ。この組み合わせのおかげで、同じプロンプトを用途に応じて出し方だけ変えられる。印刷なら Pro、入稿なら Vector、商品写真なら Utility を選ぶ。

文字、カンバス、道具一式

任意の大きさと長さの文字を生成することは、中核の強みの一つに数えられている。画面の中の文字はこれまで多くの生成モデルの泣きどころだった。ここでは長い文章が書けるだけでなく、グラフィックデザインの生成機能と組み合わせて、文字やさまざまな要素を画面の正確な位置に置けるという。作業の場としては、その場で共同作業ができる無限のカンバスが用意され、作る側に画像生成、ベクター生成、見本の合成、広告の生成が、編集する側にベクター編集、背景の削除、SVG への変換、拡大、プロンプトによる修正、消しゴム、形式の変換が並ぶ。

Recraft が作る作品の種類:文字を主体にした視覚、ベクターのアイコン、挿絵、包装のデザイン

権利と課金の境目

ここが最も見落とされやすい。価格の説明には、無料のプランで作った画像は Recraft に帰属し、コミュニティの展示に公開され、商用利用は許されないと書かれている。公式が挙げる例は、所有の証明を求める素材サイトには通常載せられない、というものだ。有料のプランは、契約期間中に作った画像について完全な所有権と商用利用の権利を与え、販促、ブランド、製品の包装といった業務に使える。画像は私的なままで展示にも出ない。契約をやめたあとも、私的なままで自分のものとして残る。

課金については、契約のポイントがプランに付き、支払いの周期のたびに戻り、使い残しは繰り越されない。追加で買うポイントは別に購入し、期限がなく、月の分を使い切ると自動で働き出す。Basic、Pro、Teams のいずれでも足せる。さらに外部から呼び出す窓口があり、画像とベクターの生成、編集、背景の削除、部分的な描き直しと画面の拡張、まとめての処理、非同期の処理を覆い、使えるモデルは V2 から V4.1 までのすべての世代に及ぶ。生成を自分の流れに組み込みたいなら、その道は開いている。

誰に向くか

想定する使い手は明確だ。業務のデザイナー、挿絵を描く人、販促の担当者。会社の紹介には、二百の国と地域から三百万を超える利用者がいて、これまでに三億五千万枚を超える画像が作られたと記されている。写真らしさを競う土俵には立たず、力をベクターの出力、ブランドの一貫性、デザインの流れとのつなぎ目に注ぐ。日々の仕事が、一つの視覚の体系の下でアイコンや挿絵、ブランドの素材を作り続けることなら、この三つこそ時間を食う部分だ。たまに一枚添えものが要るだけなら、多くの能力は使われないままで終わる。

最後に一つ。無料のプランで作った画像は公開で、商用は許されない。業務の素材に使う前に、アカウントが有料のプランにあることを確かめたい。

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