Invoke はプロンプト欄ではなく、描けるキャンバスから始まる

要約

Apache 2.0 で自前運用できる画像の作業台。生成と修正が同じ一枚の無限キャンバスに載り、レイヤーがそれぞれプロンプトを持ち、背後には繰り返し使えるノードの流れが控えている。

おすすめ
ソフト名
Invoke
バージョン
6.14.1
料金
無料
オープンソース
オープンソース
OS
WindowsmacOSLinux
公式サイト
https://invoke.ai/
更新日時
2026-10-04 21:33

ローカルで画像を作る道具は、おおむね二つの性格に分かれる。ひとつはパラメータを全部画面に並べ、自分でひねる前提のもの。もうひとつは代わりにひねってくれ、入力欄をひとつだけ残すもの。Invoke は第三の道を行く。開いた瞬間に、描いて塗ってレイヤーを重ねられる作業面が出て、数値は手の届く場所に置かれ、細かい制御は探しに行ったときだけ顔を出す。このプロジェクトはもともと InvokeAI という名前で、リポジトリも今なおその名前のままで、配布パッケージも InvokeAI 6.x として番号が振られている。チュートリアルで二つの呼び方を見かけても、指しているのは同じソフトだ。

三列でできた作業台

画面はブラウザで開く。左がプロンプトとパラメータ、中央が生成結果、右がギャラリーとボードだ。パラメータは画像サイズ、サンプリング設定、モデル、制御レイヤー、再描画の段階ごとにまとめられ、最初から開いているのはサイズとモデルとサンプリングの三組だけ。各種の制御アダプタは一行ずつ場所を占め、必要になったときに開く。生成した画像はボードに整理され、完全なメタデータが一緒に残るので、そのときのプロンプトと設定を後から取り戻せる。画像をそのまま入力欄へドラッグして、次の出発点にすることもできる。

Invoke のメイン画面:左にプロンプトとパラメータ、中央に生成結果、右にギャラリーとボード

生成と修正を同じ一枚で

看板は統合キャンバスだ。テキストからの生成、画像からの生成、部分的な再描画、外側への拡張が、同じ無限の面の上で起きる。手で下書きをして色を置き、その荒削りな状態をモデルに仕上げさせる。範囲を囲んでそこだけ描き直す。枠を画像の端の外へ引っ張って、さらに外側へ描き足していく。キャンバスは選択範囲の中が空白の画素なのか、既にある画素なのか、塗られたマスクなのかを読み取り、ふさわしい生成のやり方を自分で選ぶ。モードを切り替える手間はない。

Invoke の統合キャンバス:右のレイヤー欄に領域ガイドのレイヤーと制御レイヤーが並び、描き直す範囲はキャンバス上で直接囲んでいる

キャンバスを単なる大きな筆にしていないのがレイヤーだ。下地の上に、領域ガイドのレイヤーと制御のレイヤーを重ねられる。ガイドのレイヤーは自分専用のプロンプトと自分の担当範囲を持ち、一枚の中に無関係な記述がいくつも並んでも混ざり合わない。制御のレイヤーは深度マップやエッジ、骨格の参照を受け取り、構図をそこに固定する。作業の手触りは、プロンプトを投げて結果を待つというより、画像編集ソフトの中で進める感覚に近い。

ノードの流れは、必要になってから

キャンバスの後ろには、ノード式のワークフロー編集画面が一式控えている。モデルの読み込み、プロンプトの符号化、サンプリング、デコード。どの工程も線でつなげるブロックになっている。組み上げた一本の流れは保存でき、何度でも走らせられ、パラメータを画面上の操作部品として切り出して他の人に渡すこともできる。ノードの値打ちは再現性にある。同じ流れに別の入力を通せば、仕上がりの調子はそろったままになる。同じ雰囲気の画像を続けて出すシーンでは、ここが効く。日常の生成でこの画面を開く必要はなく、キャンバスと入力フォームで足りる。手順そのものを固めたくなったときに切り替えればよく、どちらの道も同じバックエンドの上で動いている。

Invoke のノード編集画面:モデル読み込み、プロンプト符号化、サンプリング、デコードのブロックが一本につながっている

モデルの追従は堅実

対応するモデルの広さが、この道具の持ち味だ。古い Stable Diffusion の世代も、SDXL の一族も一覧にあり、新しい大きな骨格の版は蒸留版や編集版と並んで名を連ねる。量子化された gguf 形式のファイルは、通常のチェックポイントや diffusers のディレクトリと隣り合って読み込める。モデル管理の仕組みが、チェックポイント、LoRA、テキスト反転、制御アダプタを一か所で導入して整理するので、手作業でフォルダに複製する必要はない。まったく新しいアーキテクチャが発表当日に揃うわけではないが、追う間隔は安定していて、届いたものは二度目の用意なしにキャンバスでもノードでも使える。

ライセンスと運用

本体は Apache 2.0 で、商用には扱いやすい。有料の製品に載せても、改変しても、再配布してもよく、閉じたものに組み込んでも改変を公開する義務は生じない。別に確認がいるのがモデルの重みで、こちらは独自の条件を持つ。本体のライセンスとは別物なので、商用の前に目を通しておきたい。

運用の形は、ローカルで動くサービスとブラウザのタブ一枚だ。起動してブラウザからローカルの宛先を開けば使え、生成もプロンプトも画像も自分の機械の中に残る。Windows、Apple シリコンの macOS、Linux 向けの起動用の仕組みが用意され、コンテナや手動での設置を好む人向けの道もある。複数ユーザーのアカウントと待ち行列は内蔵されていて、一台のマシンをチームで共有するときに追加の細工はいらない。ハードルの目安として十六ギガバイトのメモリが挙げられており、ビデオメモリが足りないときも動的な退避で大きなモデルを走らせられる。代わりに速度は落ちる。

まとめると、これはプロンプトの窓ではなく、道具の揃った工作室だ。絵を仕事にしていて、同じ一枚を何度も練り直し、手順まで再現できたほうがいい人には、キャンバスとノードに時間をかける価値がある。たまに一文を書いて一枚欲しいだけの人には、機能が多すぎるように映るだろう。

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対応OS: Windows macOS Linux