FFsubsync:音の流れを聞いて、ずれた字幕の時間を自分で直す開かれた道具
要約
映像の音の流れから人が話している区間を見つけ、字幕が出る時間と比べて必要なずらし量を出す開かれた道具。毎秒のコマ数の違いによるずれも直せる。
おすすめ- ソフト名
- FFsubsync
- バージョン
- 0.5.1
- 料金
- 無料
- オープンソース
- オープンソース
- OS
- WindowsmacOSLinux
- 更新日時
- 2026-10-06 18:16
字幕と台詞がかみ合わないとき
ネットから持ってきた字幕は、手元の映像とまず同じ版から来ていない。ある写しは劇場の複製のために切られ、別の写しは光ディスクのために、また別の写しは配信の版のために切られていて、どの版でも冒頭の題字や前回の要約、あるいは無音の長さが少しずつ違う。その結果が、あの見慣れた気まずさである。誰かが話し出すより二、三秒早く文字が出る。あるいは同じだけ遅れ続け、作品の最後までずれたままになる。
手で直すとなれば、編集の道具で開き、全体を少し動かし、耳で確かめ、また動かす。切り替えのたびに時間の軸が押し出された場所では、一行ずつ追いかけていくことになる。二時間の作品なら一晩の単純作業で、しかもきれいに収まる保証はない。FFsubsync はまさにこの作業のために書かれている。映像と字幕のファイルを渡せば、文字をどれだけ動かすべきかを自分で計算する。ゆるい条件の開かれた許諾で公開され、個人が使う分には料金がかからない。2026-09 の時点でも手入れが続いており、いまの 0.5.1 は 2026-07 に出た。
考え方:声を聞くのであって、文字は読まない
合わせ方の筋道は言語と無関係で、だからこそ誰も印を付けていないファイルでも動く。まず音の流れに対して発話の検出をかけ、本当に誰かが話している区間を拾う。次に字幕のファイルから、一行が出る時刻を取り出してもう一組の区間を作る。これで時間の区間が二組そろう。ひとつは音から、ひとつは文字から。

その二組を周波数の側で重ね合わせる。変換したうえで、もっともよく重なるずらし幅を探し、それを秒に戻す。単語をひとつも比べていないので、中国語でも英語でも日本語でも扱いは同じであり、前もって何かを印付ける必要もない。いちばん多い、全体が早いか遅いかのずれなら、たいてい一発で当たる。
ずらすだけではない、毎秒のコマ数の食い違いも直す
もうひとつの食い違いは、固定のずれではない。毎秒 23.976 コマの原盤に合わせて作られた字幕を、毎秒 25 コマの版に載せると、始まりはほぼ合っているのに終わりでは数分ずれる。誤差が再生の一分ごとに積み上がるからだ。全体をどれだけずらしても直らない。どの値を選んでも片方の端しか合わない。
FFsubsync は手本となる時間と入力の時間の比を推定し、それに合わせて文字全体を伸び縮みさせる。ずれは片端へ押しやられるのではなく、計算で抜かれる。扱いにくい場合には他の探し方も用意され、黄金分割の探索もそのひとつである。よく使われる字幕の形式は読み書きでき、新しい版ではwebで使われる WebVTT の形式にも対応し、ブルーレイの PGS 図形字幕を合わせるための手本にでき、ファイルの符号化も自動で見分けるので、文字化けが別の仕事に増えることはない。
主は入力行の道具、ブラウザの面でも使える
FFsubsync の本体は入力行のための道具で、荷物の管理の仕組みから入れる。音と映像を扱う道具に頼って入れ物から音の流れを取り出し、Windows、macOS、Linux で動く。サーバーに置きたい人向けに公の入れ物の像も用意されている。
何も入れたくない人のために、公のブラウザの面もある。開いて映像と字幕のファイルを放り込めば、同期はその場の機械のなかで終わる。数か月に一度だけ必要になる人にはこれで足りる。基本の使い方の外側では、もう一つの字幕を手本にして合わせることもでき、使える手本がまったくないときには音を文字にする道具と組み合わせられる。
誰に要るか、どこで終わるか
いちばん分かりやすいのは、連続ものや映画を別に取ってきた字幕で見ていて、合わない版によく当たる人だ。そこでは一度の呼び出しで片づくことが多い。手元の集まりを整理したい人はもう一歩進めて、道具を手順の書かれたファイルに入れておけば、ひとつの入れ物ごと見張りなしで流せる。
終わりの線もはっきりさせておきたい。FFsubsync が解くのは時間の問いだけで、それ以外は持たない。文字そのものに抜けがあり、訳がずれているか単に誤っているなら、時間は完璧に合っても字幕は間違ったままで、そこには別の答えが要る。道具は無料で、源は公開されている。まず手元にあるファイルで一度試すのが筋で、ブラウザの面からでも、自分の機械で一行打ってもよい。